【 奨 励 賞 】

【テーマ:仕事を通じて、かなえたい夢】
仕事を通じて、かなえたい夢
埼玉県  中 島  進  58歳

仕事には夢がなくてはならない。夢を持って仕事をしなさい。と上から目線でおっしゃる人がいるようであるが、夢があろうがなかろうが、好きか嫌いに関わらず仕事はしなければいけないものなのである。「仕事には夢がなくてはいけない」などという言葉に洗脳され、自分にあった仕事が見つからないという理由で仕事を転々とする人がいるようであるが断言する。自分にあった仕事なんぞこの世に存在しない。逆に自分に向いてない仕事というものも存在しないのだ。誰しもやりたい仕事、好きな仕事というものを求めているであろうが、どんなに好きなことであってもそれが仕事としてしなければならなくなった瞬間から、好きなことが茨の道に変わるのである。仕事をなめてはいけないのである。

では仕事に夢なんか持つんじゃないと言っているのではない。その逆だ。具体的な夢があるのであればその夢のために仕事で結果を出さなくてはならないし、もし具体的な夢がなかったのならば今の自分の存在が凄く価値あるものであることを証明できるぐらいにがんばるべきだ。そうすることで探さなくとも夢と呼べるものが光臨してくるものだ。

つまり仕事の中に夢を見出せない人は本気で仕事をしてないというか、仕事を単に作業としか考えていないに違いない。仕事とは目先の目的、物を造りました。何かを売りました。それのみが仕事だと思ってしまったら人は成長できない。本当の意味で仕事とは、仕事を通して社会に貢献することであり、職場の人を幸せにするための努力の積み重ねを言うのである。世の中に貢献し人を幸せにできた時の実感それこそが夢そのものであると明言したい。

ただそれはオリンピックで金メダルを取ることと同じぐらいの努力と忍耐を必要とすることは言うまでもない。当然そんな大きな覚悟をもって就職をする人はいないかも知れないが本気で人を幸せにしようと思って仕事に打ち込んでいったならば必ず外部、内部の反対勢力と壮絶な闘いを何度もしなければならない。ほとんどの人が闘う前に逃げ出すか、闘いに疲れて降参してしまうか、それぐらい大変なことではある。なので、途中で逃げ出したとしてもその人の価値観であり責めることはできないとも思う。

実は夢を叶える(結果を出す)はそんなに大事なことではない。夢を叶えるために努力した結果、敗北したとしてもその努力を誰かが評価し同じような志を持ってがんばれる人を育てられたとしたら、それはどんな素晴らしい夢よりも価値あることに違いない。自分の仕事に信念をもって最後までやり抜くことはそれだけ偉大なことなのであある。

戻る