【 奨 励 賞 】

【テーマ:現場からのチャレンジと提言】
働くってなんだろう
埼玉県  西 村 麻 子  43歳

私がマンションの清掃のアルバイトを始めてもうすぐ1年になる。

私はこの仕事に大変遣り甲斐を感じている。

小学生の子供がいる主婦の身である私は短時間のアルバイトを希望しており

私にもできるのではないかと思って就いた職種である。

はじめは綺麗にごみや汚れをなくすことがだけが仕事内容だと感じていた。

しかしそれだけではないことを次第に知っていくことになる。

この仕事はマンションの住民の方々の目にも触れられることも少ないため

あまり清掃をしているということが知られていない。

そのため、マンションのごみ捨て場もエントランスもどんなに綺麗に清潔に整えても

一日後にはごみが散乱し乱雑に投げ捨てられている。

お弁当箱の中身、ジュースののみかけ、袋に入っていないおむつ・・・。

挨拶しても返ってくることもなかった。

私は始めは。「こんなにがんばっているのに・・・。」と悲しい気持ちであった。

しかし、コツコツ仕事を続けていくにつれて、捨てられたごみを片付け、ほうきで掃いて、床をモップがけして

雑巾がけをして・・・黙々と職務を遂行していくうちに、

温かい思いやりに満ちた声をかけてくださる住民の方々が現れてきたのだ。

「いつも一生懸命お掃除してくださりありがとうございます!」

「うちのマンション散らかっているけどあなたがきてくれるようになってから本当に綺麗になったわ。ありがとう。」

「夏場は暑いし冬場は寒いし大変ですよね」

私の前でわざわざ立ち止まりお辞儀をしてくださる方も・・・。

お菓子をいただいたこともあった。

だんだん理解してくださる方が増えてきたのだ。

私は嬉しくて嬉しくて涙が止まらなかった。

どんなに目立たない仕事でも真面目に一生懸命働いていれば必ず見てくれている人はいるのだ。

嬉しかった。


ただ、私が最近気を付けていることがある。

それは、周囲の方々が見ていなくても自分が納得するまで努力することである。

認められていなくても、私自身がマンションを美しく綺麗にぴかぴかに整えたい!

住民さんに気持ちよい暮らしをして頂きたい!

という強い気持ちがあれば、誰にも感謝されなくても良いではないか。

だから私はマンションが汚れていても悲しいとか報われないとか感じない。

逆に自分が清掃したあとの綺麗になったマンションを眺めて心はさわやかで清々しく充実感でいっぱいである。

一日経って出勤してまた汚れていても、さあー!!今日も綺麗にするぞ!とやる気に満ち溢れた気持ちになる。

大切なのは自分がどう働いていくか、どういう生き方をするか、であり自分で決めることなのだ。


私は今、清掃会社のイメージアップ、利益増、このマンションに住んでみたい!といった方々が増えマンション不動産会社の利益増からつながってくる住民の方々の暮らしを整えるということでの地域経済の活性化に、ほんの微力ながら貢献していると思っている。


私は来年、勉強をするために通信制の大学に行くことになった。

学費を用意しなくてはならないし、この仕事があって良かった。


仕事があるだけでありがたい。

生きているだけでありがたい。

周りの方々に感謝して生きている。

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