【努力賞】
【テーマ:仕事をしたり、仕事を探したりして気づいたこと】
親の偉大さ
あすなろ会  青鹿恭治  23歳

私の両親はこれまで私を普通に育ててくれた。良いことをすれば褒めてくれるし、悪いことをすれば叱ってくれた。学校も大学まで普通に通わせてくれた。なにか、これをしろ。あれをしろ。と押し付けられることもなく、自分の進みたいように進ませてくれた。就職活動においても何も口出しはせず、質問をしたら答えてくれる。といった感じだった。

この普通だと思っていたことは、全く普通ではなかった。4月から働き出して初めて気がついた。両親はまだ現役で働いている。もちろん今の私より給料は良いだろうが、それでも決してお金持ちではないはずだ。それなのに私の高い学費をすべて負担してくれた。働き出したら返せとも言われていない。あんたのために頑張って働いているんだよ。と冗談らしく笑って話す。まるでそれが親として当たり前のことかのようにしてくれた。

私が結婚して子どもができたころ、今よりどれほど給料が増えるかわからないが、当たり前に家族を養っていくことができるのか。と考えると、とても簡単なことではない気がする。それができないのなら子どもを作るな、と言われてしまえばそれまでではあるが、家族を養うために毎日必死に働いて、たくさんの愛情を注ぎ成長を見守る、ということはすごいことだと気がついた。

今、私は自分のためにしか働いていない。まだ実家に暮らしているため、月に給料の1割程度は両親に渡すもののその他は自分の休日のために使ったり、自分の将来のために貯金したりしている。誰かのためにお金を使っていない。今後、誰かのために毎日働くことはできるのだろうか。実際に自分の家庭を持ったら考え方が変わってくれるだろうか。

私は両親に恵まれた。これ以上はないくらいに思う。親孝行をしなければならないと思っているがなかなか照れくさいし、感謝の言葉を口にするのも恥ずかしい。せめて今の仕事を精一杯頑張って両親に心配をかけないようにしたい。そして自分の家庭を持ったとき両親と同じような親に私もなりたい。

社会人として働き出して4ヶ月弱、仕事はまだまだスタートラインから進んでいないと言っても良いだろう。働く意味もよくわからないまま働き出したが、親の偉大さに気づくことができ、そして何のために働いているのかも少しずつわかってきた。これからはもっとたくさん仕事を覚えて、少しでも早く一人前に近づき、次は働くことの楽しさも見出していきたいと思う。

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