【佳作】

【テーマ:さまざまな働き方をめぐる、わたしの提言】
ハロー、あなたへ
長野県  宮崎祐希  28歳

労働は尊いものだ。というか、尊くなくてはいけない。

働くということが、苦行みたいになってしまうのはちょっと違う。仕事は人生の一部であって全部じゃない。ただ食べていくために、生きるために仕方なくするものじゃない。あなたの人生をよりよいものにするためのものなんだ。

こんなことを言うとまた甘えてるだの世の中そんなに甘くないだの舐めているだのと一蹴されてしまうから、普段は言わない。そういうことを言う人たちは、どうぞその世界の中で生きていてくれればいい。ただ、他の、まだ無垢な若い世代や、子どもたちを無理やりそっちに引っ張るのはやめてほしい。そちらが苦労したから、辛かったからといって、他人を巻き込み、その価値観を強要して、おまえも苦労をしろというのはなんか違うと思うのだ。

仕事が辛くて苦しいと、何にも楽しくなくなってくる。生活がおろそかになる。自分のことが後回しになる。そんなの悲しい。自分に体や心の余裕がないと、他人には優しくできない。他人に優しくできないと、それが自分に帰ってくる。

会社のことを考えるだけで頭が痛くなるのなら、玄関まで行ったのに外に出られなくなるのなら、明日会社行かなくていいんだ!と線路の中に突っ込むのなら、もう仕事なんて辞めていい。

生きていけなくなるのなら、もう辞めていいんだ。

一度失敗してしまったらもうだめだとか、こんなこともできないなんていけないことだとか、そんなこと思わなくていいんだ。私も思ってた。全部できなくちゃいけないって。でもそんなの無理だ。人間だから。完璧になってしまったらもうそれは人間じゃない。人間は完璧にはなれない。だからもうそんなこと考えなくていいんだ。そっちのほうがずっと楽しいよ。

だいたいその考えは、あなたが考えているようで、どこかの誰かの受け売りだ。誰かさんがさも正しいみたいに(そうじゃなきゃいけないみたいに)そんな辛いことをほいほい言うから、いつの間にか頭のなかにインプットされてしまっただけなんだ。

その考えをしているときに、なんだか嫌な気分がするなら、それは違う。

あなた自身には必要じゃない考えなんだ。

あなたはそんなアホみたいな考え方をしなくても大丈夫なんだ。

別の考え方をしよう。

考えてるだけならタダだし、口に出さなければ誰も批判もしてこない。

好きな人生を送っていいんだ。

めちゃくちゃ大金持ちでもいいし、ハワイに住んでいるのでもいいし、シロクマと触れあったりしてもいい。

こっちに行ったらもっと楽しいかな、と思えるところに行っていいんだ。

だいたいのことはなんとかなる。なんとかなると思っていれば。自分にできると思っていれば。自分にその価値があるとさえ思えれば、だいたいそうなるんだ。

だからまず自分を大事にしてほしい。あなたにいなくなってほしくない。でもだいたい誰もそんなことは言ってくれない。だから、自分で自分に言えばいい。自分をいちばん愛しているのは、愛してあげたいのは、自分自身なんだ。

今までの人生であんまり褒められたりしてないと、自分を愛する理由がどこにも見当たらなかったりするけれど、じっくり自分を見てみると、必ずどこかに見つかるはずだ。

それが大したものじゃないとかすぐさま思ってしまうなら、それはまた誰かさんの受け売りの場合がほぼだから、無視してさっさと自分を褒めてしまおう。

働くこととあんまり関係ないんじゃない?と思うかもしれないけれど、だいたいのことは関係している。だから暇なときでもいいから、自分にいいね!をしよう。顔も知らないだれかのやつより、ずっと効果があるよ。

自分が好きだと思っていいんだ。すごいやつだと思っていいんだ。自分サイコー!とかでもいい。法に触れない程度に(大事)、自分を愛してみよう。

労働は尊い。でもそれ以上に、比べ物にならないくらい、あなたも尊いということを、忘れないでほしい。

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