【 努力賞 】
【テーマ:非正規雇用・障害者雇用で訴えたいこと】
精神障害者として命いっぱい生きる
茨城県 宗像雅実 27歳

痛みを知ってください。どうかその痛みを少しでも良いです。忘れないでください。「障害者」の一人として、私からのお願いです。

私は現在、就労継続支援B型の「AMI|アミ福祉工場」で、就労訓練を受けています。私は精神障害を抱えています。病名は「統合失調症」です。この病は、現在社会において、100人に1人の可能性でなると言われています。要するに、私はそのカードを引いてしまったわけです。主な症状は、幻聴、幻覚、妄想などです。私が特に悩んでいるのは、感情の起伏の激しさです。

工場には週2回、通所しています。AMI福祉工場は、一般の企業では就労が難しい人に対して、働く場所を提供する役割を果たし、且つ、知識や能力など、各々の向上に向け、必要な訓練を行わせてくれる場です。基本的に雇用契約は結びませんが、就労機会の提供を行なってくれる部分については、私自身大変な励みとなっています。

私は、週に2回しか通所していないと言いました。健常な方から見ると、遊んで暮らしているのか?と思われてしまうかもしれません。しかし、それは違うのです。精神障害を持っている人は、とても一生懸命です。

それは、健常な人と比べると、特に、仕事面では劣ってしまう部分があるかもしれません。ここで、一つ考えていただければ幸いです。好きで障害を抱えている人は、いると思いますか。答えはNOです。

皆、必死です。障害は、生きる上で、障壁となり、当事者に冷たく、残酷に覆い被さってくる時もあります。それでも、諦めない!自分に負けない!この2つは、非常に重要です。

私は今、車の部品を組み立てたり、簡単な軽作業を行なっています。誰にでもできる作業なのですが、やってみて実感しました。何も楽なことなど一つもない……と。同じ部品を組み立て続けることが、こんなにも気が遠くなるとは、思いもしませんでした……。人は初めて、他者|ひとの苦労を知って、人の気持ちが分かるのだと痛切に思いました。

その中で、週に2回、工場へ通所することは、私の最大限の努力です。人間関係、気の遣い過ぎ、必要以上の微笑を浮かべてしまうことなど、精神的に疲れることばかりで。日々葛藤しています……。

こういう時こそ、心の声に耳を素直に傾けてあげるべきなのだと思いました。人からどう思われているのか……。以前は、ビクビクしていましたが、人には人のライフスタイルというものがあります。

私は、できることを精一杯やっています。もう少し……もう少し病状が落ち着いたら、工場の訓練日数を増やしたいです。

これからも辛いこと、苦しいこと、私にもたくさん待ち受けていると思います。それでも、大きな夢があります。プロの作家になることです。叶わないかもしれませんが、最後まで諦めるつもりはありません。色々な人との出会い、交流を通して、読んだ人が少しでも生きる意味を見出してくれるような、そんな作品を書ける作家になりたいです。

最近になって、ようやく、掛かり付けの精神科の女性に看護師さんの言葉がとてもありがたく、心に染みてくるようになりました。

「精神障害になってしまう人は、繊細でとても情緒が豊かなのだと思います。大丈夫!今は辛くても、必ずまた元気になる時が来ますよ」

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