【 努力賞 】
【テーマ:「世界と日本」海外の仕事から学んだ事/日本の仕事から学んだこと】
カルチャーショック
日本大学商学部 高山克之 20歳

昨年の年末年始に家族で海外旅行に行くことになった。人生で初めて海外に行くということもあり、期待と不安でいっぱいだった。旅行先はイタリアであり、事前に色々と調べるとスリや置き引きが多発しているという不安なこともわかったが、何より料理がおいしいということでとても楽しみであった。

出発日、イタリアの航空会社の飛行機でイタリアに向かった。当然機内のスタッフもイタリア人である。そこでまず一つのカルチャーショックを経験した。それはキャビンアテンダントが男性女性半々であったことである。

日本ではキャビンアテンダントと聞くと今でも女性の仕事という印象が強い。何となく日本では当たり前だと思っていたことが海外では当たり前ではなかったのだ。また、今でも「男性の仕事」「女性の仕事」という考えが日本には残っているのだということを痛感させられることとなった。そのような間違った常識にとらわれず、日本での常識は世界ではどうなのだろうか、と疑う考えを持たなければならないと感じた。

無事にイタリアに着き空港のトイレで一息つこうとした時に、二つ目のカルチャーショックを経験することになった。それは働いている人たちがとても楽しそうに働いているということである。では、なぜ空港のトイレでそれを感じることになったのか。それは、トイレの清掃をしている女性が歌いながらノリノリで清掃をしていたからである。さらに、人にぶつかりそうになると「Sorry」と言いまたノリノリで歌い始めるのである。とても衝撃を受けた。

もちろん日本にも楽しく働いている人はいると思うが、このような人にはあったことがないし、そのようなことをしたら日本では反感を買うかもしれない。また、これはこの人に限ったことではなくイタリアを旅行している時にどこに行っても感じたのである。あるレストランでは「あなたの分の料理がなくなっちゃったよ」といったジョークや、違うレストランでは料理を受け取ろうとするとわざと引っ込めるなどその場を盛り上げてくれた。イタリアの料理がおいしかったのは、そのような雰囲気を作ってくれる人がいるからかもしれない。また、このような楽しい雰囲気を出せるのは本当に楽しんで働いており、またそれを受け入れる文化があるからだと感じた。

大学3年生になり、周りは自分の希望する仕事を目指してどんどん行動しているが、私はまだどんな仕事に就きたいかということが決まっていない。焦りと不安はあるがこのイタリア旅行で海外の働く人々を見て一つだけ決めたことがある。それは将来どんな仕事についてもそれを楽しむということだ。希望する企業に入れたとしてもそこでどのような仕事を任せられるかはわからない。自分のやりたくない仕事をやらされることもあるかもしれない。しかし、このイタリア旅行で学んだ楽しく働くということは自分次第でどんな仕事でもできることである。

楽しく働くことで周りも楽しくするということ、それが今の私の目標であり夢である。

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