【 努力賞 】
【テーマ:私が実現したい仕事の夢】
えい!もう一度、働こう!
兵庫県 小林和夫 61歳

今年、思いがけなく平成27年度「勤労青年の標語」コンクールで、私の応募した「この仕事 信じた道に いい未来」が入選しました。この標語のコメントに私は「自分が選択した職業を後悔しそうな時に特効薬になると思います」などと上から目線のことを書きましたが、実は最近、こと「仕事」に関して少し後ろめたい気持ちがあります。いくら38年間、地方公務員を頑張って勤めあげたと自負しているものの、退職して悠々自適、精神雨読の生活を続けておりますと、働いている人、宅配便、コンビニ、居酒屋からスーツ姿、作業服にいたるまで、キラキラした瞳と汗がむしょうに眩(まぶ)しいのです。

ですから、働いている勤労青少年の皆さんに応援するキャッチコピーをよく考えます。例えば、「楽しんで努力以上の技はない」「汗と知恵 未来を創るいい仕事」など。

が、しかし。NHKのEテレで毎月放送される、トーク・ディスカッション番組、「ニッポンのジレンマ」で取り上げられた現代の日本の「働く若者の環境と能力開発」をじっくり観て、私なりに考えていると、ソワソワとしてきて、「えい!もう一度、働こう!」このままユルユル、ズルズルベッタリの生活が続くことに耐えられなくなりました。

まず、「私が実現したい仕事の夢」は何か?作家の林真理子氏が言うように「大きい野心を持て」に従い、「作家あるいは芸術家の仕事のかたわら講演会で全国を飛びまわる」を設定しました。

さっそく「その夢の実現のために勉強をする。社会人の大学に申込みをする。時間の管理を徹底して修正し直す」の三本柱をたちあげ、机の前に大きく「文人墨客(ぼっかく)・生涯学び働く」と書いて自分を奮い立たせるようにしました。

有名になった作家や芸術家はみな、「プロでもないのに、ひたすら書く(描く)修行時代」を楽しく語っています。書きたいと言いながらペンを動かさない、脚光を浴びた作家を見て、「オレならもっとすごいことが書けるのに」とか「私の人生を小説にしたらベストセラーになる」と想像の中で自分をふくらませている人は多いと思います。

素人(アマチュア)のエッセイは自慢話がほとんどであるとか、新聞の投稿をまとめて出版しても売れないとよく言われます。名言だと思います。

私の文書力や技術力は登山道に至る山口でウロウロしているようなレベルです。さしあたって私の仕事は自分を知ること、そのうえで夢の実現のために努力しようと心に誓うことだと思っています。

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