【 努力賞 】
【テーマ:女性が輝ける働き方】
働く女性の輝き方
福島県 小池純子 52歳

私にとって輝いている女性は、皆高齢だ。80の母は、毎日野良仕事に精を出している。老人ホームで寝たきりでも、笑顔の美しかったSさんは百才に近かった。その人生を果敢に生きている女性は輝いている。その人が輝く時、内面はどうなっているのだろう?私がその人を、愛し尊敬しているから輝いて見えるのだろうか?その人の喜びや幸せが、輝くのだろうか?

私も、ずっと輝きたいと思っていた。家庭での泣き笑い子育ても、私を成長させ喜びを与えてくれた。しかし、パートでも色々な仕事を経験すると友達も出来た。忙しく働く内にあっという間に50才を超えていた。 子供達も巣立ちを迎え、私の働き方も変わって来た。やっと落ちついて、自分を見つめ直す様になって来た。

今の職場の力も大きいと思う。洗濯物を通して、毎日老人ホームで、150人の方々と触れ合う。様々な人生を見る。ゆっくりとした、老人の時間の中を進む。私自身も、自分の人生を深く考える事が出来た。一緒に洗濯をする同僚も人生の先輩だ。二人で働く日は、家であった事、今思う事、愚痴からいかに生くべきか、宇宙から原子の話まで、何でも話せる。

本当に有難い。「こんな風に生きたい」と二人で常に話しているので、職場でのトラブルや行き違いも冷静に判断し対処出来ている。滞っていた人間関係や、異業種間の意思疎通もスムーズになっていった。二人でこの仕事を、愛と思いやりでやろうと夢みたいな事を本気で楽しく話しながらやっているから、少しずつ良くなっていく職場環境を、喜んで見ていられる。

偶然、私には何でも話せる友人が多い。今年立ち上げたサークルのメンバーは、全て女性で様々な職業の人々だ。コラージュを通して、自分を見つめようと集まった主にお母さん達である。そこでも色々話す。話していると皆キラキラと輝いてくる。職場の話、家の事、生き方、そして趣味、スイーツまで何でもたくさん話す。

人は、信頼が生まれると話し始めるのだろうか。特に女性は、話している内にその人を知り、自分を出しさらに信頼を深めてゆくのだと思う。途中、愚痴や恨み、妬みや自己嫌悪など、かっこ悪い自分も出てくる。 が、そこを出せると、すっと楽になる。吐き出した後、「本当はこうなりたいんだ」と気付いた時、その人の奥が、自分の中がキラッと輝くのを感じる時がある。

「まだやれる。私はなんとかしたい」と自分の意欲に気付いた時、笑顔がこぼれる。自分を信頼した瞬間、その人が輝くのが見える。

輝く人を見るのは楽しい。話していて輝きが増してゆくのを見るのは、もっとうれしい喜びだ。 今日も、一人静かに仕事に集中する時間と、人と触れ合い話す時間を併せ持つ、楽しい職場へ喜んで出かけよう。

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