【 努 力 賞 】

【テーマ:○○年後の自分に宛てた手紙】
3年後の私、遠回りの道の先で・・・
eiry 26歳

ねえ、3年後の私。2016年の私。忙しい、忙しいと言いながらも「私の仕事」を全力で楽しむあなたのその姿が見たくて、今日も私は一日を大切に歩いています。そしてようやく「私の仕事」を鮮明に思い描けるようになった今だからこそ、3年前の私とちゃんと向き合って話してみようと思うのです。

ねえ、3年前の私。2010年の私。「新卒採用」という手っ取り早く社会に跳び込む最大のチャンスを逃し、ひとり置いてきぼりにされた私。そんなあなたは、3年前の今日7月10日、まさに一カ月後に迫った「社労士」試験のため、勉強、勉強の一日を過ごしていましたね。就職活動をする中で感じた「はたらく」ということに関する様々な疑問に対し、私なりの答えを見出したいという思いから労働に関する専門家「社労士」を目指し始め、そして、この真っ暗な日々にも大きな意味があるはずだと微かな光を信じ、ただひたすら机にむかっていたのでしょう。あまりにも机から動かないあなたを心配した母があなたに付けた万歩計は、1日25歩という凄まじい記録を出したなんてこともありましたね。

ねえ、3年前の私。2010年11月、私は社労士になることができました。でもそれ以上に感謝すべきことは、3年前の私、あなたが「私の仕事」をもう一度見つめ直す機会を今日の私に与えてくれたということなのです。

ねえ、3年後の私。私は今、「私の仕事」を鮮明に思い描いています。私の思い描く「私の仕事」それは、会社と労働者をしっかりとつなぐ人事のプロとして、その両者の間にまっすぐと立っているということ。この間までの私は、会社の外からその両者を見る仕事をしてきました。時には、些細な誤解で仲たがいする両者を、またある時には、意思の疎通が上手くできず互いに主張しかしなくなった労働者と会社を。そんな姿をたくさん見てきた私は、会社の中に入ってその両者をぎゅっと結びつけるそんな仕事をしたいと思うようになったのです。正しく労働者を評価する仕組みがあること、それが会社に対する信頼を生む可能性もあるでしょう。会社の目指す姿を労働者と深く共有すること、それが会社と労働者が近づく一歩となる可能性だってあります。そして、労働者の一人一人が、会社の中で、「人間らしく、自分らしく働く」チャンスを見出すことができたならば、仕事を通して人生の幸せを楽しむことができるのではと思うのです。私はそんな会社組織作りに携わり、労働者の一人一人が仕事を通して喜びを得られるように影からバックアップできるような人事のプロでありたいのです。

ねえ、3年後の私。確かに周りの人からは、寄り道のしすぎだとか、不器用すぎるとか言われることも多々ありました。でも私は、ゆっくり、疑問をみつけ、新たな発見をし、自分なりの考えを持って、一歩一歩を大切に歩んでくる中で、「私の仕事」を見つけることができました。だから、今まで歩んできた遠回りの道を無駄だとは決して思いません。私が私らしく「私の仕事」を全力で楽しむように、たくさんの労働者が自分らしく「自分の仕事」を全力で楽しんでいられるそんな会社組織作りに邁進し続けてください。

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