【 佳 作 】

【テーマ:仕事から学んだこと】
ありがとう
宮崎県 秋川 由衣 38歳

私は障害者です。

3度の脳腫瘍の手術を経て、認定されました。今は、障害年金を頂き、病院にて療養中。

私は、今、働きたいのです。ですが、腫瘍が大きくなると、失明する、との診断。失明の恐怖と戦う日々です。

「働く」のは、「お金の為」だけ? そんな、もったいない! 私のように、働きたくても、働けない者もいるのに! 働ける、というありがたさに、気付いて下さい。誇りを持って下さい。

病前、私の務めていた化粧品会社は、CMをしない、というメーカーでした。商品に、こだわり、宣伝料を開発費にまわす、というポリシーです。そして、このメーカーの良さを、心から知って下さるお客様に、使って頂きたい、と。

入社当時は、

「CMした方が、もうかるのに」
そう思っていました。しかし、働いていると。

「親子三代、このメーカーを使っている」

「このメーカーしか、肌に合わない」

お客様から教えて頂き、誇りを持ちました。

入社3年目。25の時。

40代のチーフ、50代のパートさん、2才下の後輩。4人である売場を任されました。

その売場のお客様の中に。毎月末、手をつなぎ、奥様の化粧品を買いに来られる老夫婦が、いらっしゃいます。見ているだけで、微笑ましく、皆、笑顔でお迎えしていました。

その日の売場勤務は、50代のパートさんと、後輩2人。

売場に、その老夫婦のご主人から電話が。

「今日中に妻から頼まれた口紅が欲しいが、今、手が離せない。近くまで来ているので、持ってきて欲しい。」
と。パートさんが行こうとすると、

「行かなくていい」

後輩は、断ったらしく。

翌日。チーフと私の、2人勤務。

パートさんから、電話で昨日のその話を聞いたチーフは、私に質問。

「あなただったら、どうする?」

「喜んで行きます」

即答。そうよね、と、チーフ。

我が社は、「お客様満足主義」後輩は、まだ理解していないのかな?

その後、チーフとその後輩は、話しをし、

「売場に1人では、手が回らなかった」と、その考えをきき、納得。

発見がありました。

その後輩は、以前より穏やかに、より話をきく接客を、行うようになりました。

あぁ。こうやって、学んでいくのだな。私の事も、同じ様に、周りの方々は温かく、見守って下さっているのだな。そう思いました。

「お客様は神様です。一緒に働く仲間達は、もっと神様です」

「働く」と、必ず誰かにつながっています。

自分と、その周りの人と人との、つながりによって、喜んだり、時には、傷ついたり。心を育て、育てられる。

「仕事」とは、「事」を「任される」意。

「働く」とは、その「事」を「任された」「人」が「重き(プレッシャー)」を「力」に変える、と書く。人として成長する、そのプロセスを、楽しもう!人にもまれ、心に幅ができると、ちょっとやそっとでは、動じなくなりますよ。

「ありがとう。」

お客様や周りの人々の、この一言で、明日も頑張れる。心、救われる。

切磋琢磨しながらでも、日に日に磨かれていっている。

「働く事」は人生の財産です。

「働ける事」は、誰かのお役に立っている、という、神様からのプレゼントです。

苦しければ苦しいほど、笑顔は輝くもの、と、思います。

今、私は、アロマテラピストを目指しています。

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