【 佳 作 】

【テーマ:○○年後の自分に宛てた手紙】
48歳になっても 諦めないあなたが好き
秋田県 匿名希望 38歳

あなたは“今、とくに子どもの教育を頑張っている”と言っていましたね。しっかりと自分の足で立ち、巣立たせるために基礎体力、基礎学力、夢を叶える力、努力の大切さ、体調管理、向上心 好奇心など育み習得するチャンスを大切にしていました。

21世紀、女性が男性と対等に働き、そして日本のみならず世界で活躍できる女性になるために、女子だからと妥協することのない、性別の差がない目標を立ててそれに向かい、できないときはどうしたらできるようになるかを自分がやってみせるそんな体当たりの子育てをしていましたね。フットワークよく子どもたちをあちこちの勉強のチャンスに連れて行き充実の時間を重ねて、忙しく毎日を過ごしていました。でも、知っていますよ。そんなふうに子育てに全力を注ぐことがのちのちのあなたの夢を叶えることの土台づくりでもあったこと。だから頑張ることができたということを。

あなたには、自立した子どもを育てることができたら、叶えたい自分の夢があったのですよね。“尼さんになりたい”という。尼さんの暮らしに憧れてか、仏教を学びたいのか真相は今の私にはわかりませんが、とにかく、今よりももっと私利私欲のない暮らしがしたいと言っていましたね。周りから見ると、十分に私利私欲はないあなたですが、もっと削ぎ落とした自分になりたいというから、あなたらしいですよね。お化粧もせず、いつも移動は自転車、テレビは見るどころか保有さえしていなく、時を惜しんで読書とラジオを満喫し、暴飲暴食もしない。それは十分、誇りを持てる生活をしているように見えるのですが、あなたは違ったのですね。

3月11日、環境カウンセラーの合格証書が届いたこと、昨日のように思い出します。電気ガス水道が止まって、もっともエネルギーを大切に感じたその日、届いた環境カウンセラーの合格証書。3回目の受験でのやっとの合格を掴んだ運命的な日でしたよね。

あれから3年。環境カウンセラーとしての講演依頼が舞い込んできては、全国各地で節約をテーマに熱弁を振った30代。行ったこともないような地方の公民館にも、1人で道順を聞きながらたどり着き、初めての会場で、初めて会う人々の前で講演。お客様に徐々に笑顔が出ると、お客様の笑顔であなたも笑顔になる。そんな温かい90分の講演を務めてきました。最後は温かい拍手をいただき無事終了。そして和気藹々の質問タイム。その時間をほんの90分の講演と思うかもしれない。たかが90分されど90分。90分を作り上げるためには、裏付けの取れた話を100個以上も準備し、ストーリーや順番を考え90分を構成。主婦層の関心の高い節約というキーワードで、90分一緒に笑い 一緒に悲しみ、一緒に学ぶ。そんな時間と出会いの講演をあなたはもう200回以上経験してきましたね。その原稿を準備するために何回原稿を書き直したでしょうか。30回、100回もうそれ以上でしたね。講演が一回終わると、40ページ以上ある自分の原稿に、帰りの電車で反省を込めて修正をしていましたね。すべては、多くの人の人生のひとコマである90分をドラマチックに作り上げようと。

もとはただの主婦のあなたが、今では人前で堂々と話をしている。回を重ねるごとに、手元に原稿なしで90分できるようになったのですからもう立派な講師。主婦のあなたには師匠もいない。大学も出ていない、教えてくれる上司もいない。個人で引き受ける仕事の苦労を知りつつも自分で扉を開いてここまで進んで来ることができたのですね。毎回壇上に立つ前に、あなたは“緊張する”とは言ったけれど “嫌だ”とは一回も言いませんでした。

弱音を履かず自分で切り開いてきた経験とスキルを次のなりたい職業でどう活かすのか。今の私にはわかりませんが、48歳のあなたはどんな働き方をしていますか?2人の子どもも成人し、自分の夢に向かって進んでいることでしょう。あなたは48歳になっても何一つ諦めることなく絶対前進していると思います。面白い働き方を発信していることと思います。私はあなたから目が離せません。次は何をするのかとワクワクします。あなたらしく夢を叶えてください。私は見捨てません私を。

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