【努力賞】
【テーマ:仕事から学んだこと】
仕事から学んだこと
沖縄県 島尻郡  匿名希望 26歳

男性へ解答します。
 働くって、人間でいること。

人間が人間として人間をやっていく営み。太古の昔も、いずれの御時にも、今の時代でも。皆、歴史に生きる「人間」を、自分をもこなしていきたいものなのだ。服を着、住居を構え、食を得る。安全と健康を確保し、さらに楽しみを得、趣味を満喫し、家族を養う。それらの全ては、生きて人間を続ける文明的な営みだ。働き続けることは、人間継続のために力を懸けて働きかける運動の連続だ。

子どもへ解答します。
 働くって、相手とつながること。

皆が言う働く理由は、お金のため、税金を納めるため、家族のため、生きがいのため。親が働けと言うから、皆が働くから、自然の流れ。様々な答えの果ては全て、人とつながることへ辿り着く。社会を意識したときも、社会に属すことも、社会へ働きかけることも、社会の一部を担うことも、そして、社会の恩恵を受けることも、それらは全て、人とつながっている。「お金のため」の理由の正体は、大切な人を生かすため。「生きがい」の理由の正体は、成功や挑戦や喜びというもので、たった一人では得られない。知っている人や知らない誰かとつながっているからこそ得られるのだ。この際、人間以外の、自然やバーチャルな相手でも可としよう。働く先には相手がいる。もし相手とつながらずに働こうとすると失敗ばかり。誰とも話さず、誰にも見られず、認められず、そのうち自分が存在しているのかもかわからなくなって、だんだん姿が透明になって見えにくくなって、しまいには、なくなってしまうんだ。あなたはそのうち「働く時がくる」けれど、「相手とつながる時がくる」って考えよう。保育園へ頑張って通ったことも、学校で嫌いな子と勉強したことも、全部、これから「相手とつながる時がくる」ためだったんだね。

女性へ解答します。
 働くことは、見返りをもらうこと。

悪い見返りがあるなら、人は働かない。やはり、よい見返りが期待できるから働く。プラスを求めて。
では働く見返りって何だろう。いろいろあるし、人それぞれだし、考えただけで楽しくなる。人はいい見返りが好きだ。いい何かが返ってくることに、わくわくしたり待ち構えたり次の計画を立てたり。服を買い、食べ物を得、住みかを確保する。例えそれらが最低限の数しか得られなくても文句を言うべきでない。しっかりとプラスが得られているのだから。

見返りリストを作ってみよう。物的見返りと心的見返り。さあ、あなたはどちらが多く挙げられましたか?あなたの大切な人は?二十代男性、三十代女性、定年を控えた大先輩。男性、女性、妊婦、オネェ、外国人、障害のある方、戦争経験者。いろんな人へ聞いてみたい。働いて、みんなどんな見返りを得ているんだろう。また、どんな見返りがほしいか。

あなたの思い浮かべた大切な人は、一番に大切なあなたのことを思い、次に、大切なあなたを守るべく自分自身を思って、明日また働く。見返りを見失っている人がいたら助けてあげたい。あなたの作った見返りリストを貸して、再出発の計画を一緒に考えてあげよう。いつの間にか私たちは、働くことではなく、それぞれの人生を描いている。

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